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オンラインセミナー「職員定着の観点から見るICT ・ロボット導入について 」 に参加しました

2023年12月14日(木)に、トーテックアメニティ株式会社主催のオンラインセミナー「職員定着の観点から見るICT・ロボット導入について」に参加しました。この研修では、同社開発の見守りセンサー「見守りライフ」の紹介と、実際に活用している社会福祉法人嘉祥福祉会 特別養護老人ホーム第Ⅱあま恵寿荘の活用事例が紹介されました。

提供:トーテックアメニティ株式会社

これまで介護現場で多く導入されているマットタイプの離床センサーは、利用者が起き上がりマットに足を付けた時点でセンサーが反応する仕組みになっています。このセンサーの場合は、センサー音を確認した時点で職員が訪室し安否確認をおこなっています。しかし、研修で紹介されたデータでは、離床から転倒までの時間は数十秒のわずかな時間しかないため、センサー音が鳴ってからの訪室では転倒防止に間に合わない可能性が高いことが紹介されました。これに対し「見守りライフ」は、動き出し・起き上がり・端座位・離床といったベッド上の利用者の状態を検知し、通知されたデータはスマートフォンで確認できるため、状況を確認してから訪室の判断ができ、職員の動きに無駄がなくなるそうです。導入によって事故発生割合が67%減少した事業所や、職員の離職者が減少した介護事業所も紹介されました。

提供:トーテックアメニティ株式会社

見守りセンサーを含む介護支援機器は、多くのメーカーが開発・販売をしており、国も導入に向けた補助金の交付をおこなっています。上記事例で紹介されているように、導入によって職員の業務改善や利用者の安全を守ることにつながる可能性が高いといえます。しかし、職場の中でどのような機器が必要か、その使用方法を全ての職員が理解した上で導入を進めていかないと、機器の機能を十分生かせないという結果を招いてしまう危険があり、研修内でも同様の状況に陥った事例も紹介されていました。

提供:トーテックアメニティ株式会社

介護人材が不足する中、介護現場の環境を見直すことの必要な時期が来ていると思います。その対策の一助となるのが介護現場のICT・ロボット導入であると、今回の研修を通して改めて考える機会となりました。

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「産学共同研究」で介護の必要な方の自立促進と安全・安楽および介護者の負担軽減に役立つ「福祉用具」の開発をしています

「中部学院大学・中部学院大学短期大学部」と「株式会社 東海技研工業」(岐阜県中津川市)との産学共同研究によって、自立支援型移乗補助具「ラ・クリップトイレ用」(福祉用具貸与対象品)を開発しました。

2023年3月から、「ラ・クリップトイレ用」の販売およびレンタルが開始されましたが、よりよい福祉用具となるよう、実証研究を継続しています。
その研究の一環として、2023年9月に、グループホーム(認知症対応型共同生活介護施設)で暮らすご高齢者12人に「ラ・クリップトイレ用」を使用してもらい、その効果を確認する実験をしました。

中部学院大学・中部学院大学短期大学部の運動学実習室で、重心動揺計や加速度計を使用して、排泄動作時の体幹の安定性や振動、加速度を測定した結果を基に、「ラ・クリップトイレ用」の適用対象(有効活用できる身体状態)と活用方法を明らかにしたいと考えています。

「ラ・クリップトイレ用」とL型手すりを使用して排泄動作(便座からの立ち上がり)をする様子
「ラ・クリップトイレ用」とL型手すりを使用して排泄動作(便座からの立ち上がり)をする様子

「ラ・クリップトイレ用」の概要

「ラ・クリップトイレ用」の概要
「ラ・クリップトイレ用」の概要(説明)
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総合福祉機器メーカー・研究開発機関「㈱今仙技術研究所」の見学に行ってきました

中部学院大学短期大学部社会福祉学科の介護福祉コース(介護福祉士を目指すコース)で学ぶ2年生22人(横山ゼミ所属学生10人と有志12人)が、2022年10月20日(木)、電動車いすや骨格構造型義足などの研究開発・製造販売を行う、㈱今仙技術研究所 の見学をしました。

株式会社今仙技術研究所
〒509-0109 岐阜県各務原市テクノプラザ 3丁目1番8号
https://www.imasengiken.co.jp/

2時間近い見学メニューをご用意いただき、電動リクライニング・ティルト式車椅子など最新式の電動車椅子の試乗や歩行支援機「 ACSIVE(アクシブ)」の試着をさせていただきました。また、日常生活用やスポーツ競技用の義足の構造や扱い方のレクチャーを していただきました。

今回の見学で、福祉機器販売までの過程と体制を知ることができました。また、障がい者スポーツの振興のために「カーボン製スポーツ用義足板バネ」の研究開発にも注力し、障がい者の生活の質の向上をサポートしている企業の高度な技術を体感することができました。

そして、一人ひとりそれぞれ異なるからだのつくりおよび 障害、ライフスタイルに応じた製品開発・製造販売を通して、その人の想いに応え、暮らしを支えている今仙技術研究所の志と業績を知り、電動車いすや義肢開発・製造のパイオニア企業の偉大さを感じました。

今仙技術研究所の職員の皆様、貴重な見学の機会を設けてくださり、ありがとうございました。

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「介護福祉セミナー2022」で“持ち上げない” “抱え上げない” “引きずらない”移動・移乗とポジショニングを学びました

9月20日(火)に中部学院大学短期大学部社会福祉学科主催の「介護福祉セミナー2022」がハイブリット型で開催されました。

社会福祉学科 吉川学科長の挨拶
社会福祉学科 吉川学科長の挨拶

Ⅰ・Ⅱ部は、「介護の必要な人にも介護する人にも”やさしいケア”をめざして」をテーマとし、チュラルハートフルケアネットワークの安武哲宏氏の講演でした。当日は台風の影響で急遽リモートでの講演となりましたが、大変有意義な講演内容でした。
講義では実写映像を用いて移動・移動ポジショニングケアのポイントをわかりやすく説明していただきました。受講者同志で実際にやさしいケアを体感できる場面もありました。移動・移乗、ポジショニング、シーティングの新たな知見や方法を学べる機会となりました。

リモートで講演する安武氏
リモートで講演する安武氏
介護福祉セミナー2022講演の様子
介護福祉セミナー2022講演の様子
やさしいケアのリアル体験の様子
参加者同士でやさしいケアのリアル体験を行いました
介護福祉セミナー2022の様子
介護福祉セミナー2022の様子

Ⅲ部では、本学短大卒業生の高島知哉氏(社会福祉法人祥雲会主任サービス管理責任者)による「重度障がい者の地域移行に対する現状と課題―期待されるグループホームの役割と可能性―」をテーマとした研究発表がありました。

高島知哉氏による研究発表
高島知哉氏による研究発表

セミナーに参加した受講者からは「知識の幅が広がりました。」「今日の学びを今後に活かしていきたい」などの感想がありました。

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介護支援機器を活用した授業(中部学院大学人間福祉学部 介護支援コース)

介護福祉士資格を目指す介護支援コースの1年生は、前期の「生活支援技術Ⅰ」の授業で、日常生活で必要となる基本的な移乗や移動についての支援を学びます。

7月の授業では、学内の介護支援機器を活用して演習を行いました。本研究会で作成した「介護をたすけるロボットの現状とこれから~知っておきたい介護支援機器・福祉用具の基礎知識と活用技術~」の手順チェックリストを使用して、手順や注意事項を確認しながら行いました。

介護支援機器や福祉用具は常に進化しています。介護福祉士養成教育と実際の介護現場で導入している機器の違いや使用方法などを情報共有したり、介護福祉機器メーカーとの協力を得ながら、知識や技術を共に高めていくことが求められています。

介護支援コース1年生「生活支援技術Ⅰ」の授業の様子
介護支援機器を活用した演習の様子
介護支援機器を活用した演習の様子
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「福祉・医療・健康の総合展ウェルフェア2022」に行ってきました

研究会メンバーが、5月28日(土)に愛知県名古屋市の吹上ホールで3日間開催された「福祉・医療・健康の総合展ウェルフェア2022」に行ってきました。ウェルフェアは、毎年行われるイベントで、今年は105社・団体が出展し、最新の福祉機器や介護ロボット、福祉車輛などの展示がありました。

スタッフからの説明を受けながら実際に機器を操作するなど、体験的に学ぶことができました。歩行困難な方が階段で利用する階段昇降車を体験したときには、見た目以上に安定感があることに驚かされました。

階段昇降車「ステアチェア」
階段昇降車「ステアチェア」

また、同時開催の「介護ロボット企画展」では、移乗アシストロボットや見守りロボット、入浴補助リフトなどが展示されていました。介護ロボットについては、これまでの研究活動で介護現場の使用状況など確認をしていましたが、ここで初めて知る機器もあり、その性能に驚くことが沢山ありました。

福祉機器や介護ロボットは急速に発展しており、介護現場で活用されつつあります。現状を把握するためにも良い時間となりました。

介助ポール「トイレ用 ラ・クリップ」
介助ポール「トイレ用 ラ・クリップ」
離床支援マルチポジションベッド
離床支援マルチポジションベッド
簡易型入浴補助リフト
簡易型入浴補助リフト
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生活支援技術(介護技術)の演習授業で、購入した電動ベッドの背上げ機能を体験しました

これまで演習授業で使用していたベッドの老朽化に伴い、新しい電動ベッドを1 台買い替えました。パラマウントベッドのエスパシアシリーズです。

本学の介護実習室では、高さ調節、背上げ、膝上げを手動で行う旧式のベッドを10 台以上、まだ大切に使用しているのですが、それらと比較してどのように使い心地が違うのか、比べてみました。

コントローラーに背上げ角度が表示されるので、ベッド上での飲食や口腔ケアを行う際に誤嚥しにくいと言われる頭部の30度のギャッジアップが容易に調整できました。また、背上げと膝上げを同時に行う連動機能を活用すると、下方へ身体がずれにくく安楽な姿勢調整も容易に行えました。

さらに、旧式よりも臀部から膝までの部分がベッドの形とフィットしやすいと感じました。その理由はベッドボトムの構造が関係していると思われます。臀部の辺りがすのこ状に連結されており、背上げと共に丸く曲がるようにできています。

以上のように、介護ベッドの様々な進化を実感することができました。しかしこれらの機能の改良は、今後も続けられていくでしょう。介護を必要とする人により良い機器が提供されることが理想ですが、病院や施設では病院や施設では容易に買い換えられないのが悩ましいところです。

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「介護福祉セミナー2021」で最新褥瘡(床ずれ)ケアを学びました

9月21日(火)に中部学院大学短期大学部社会福祉学科主催の「介護福祉セミナー2021」が開催されました。

Ⅰ部は、「介護をサポートする床ずれ予防・ポジショニングクッションの開発とその効果」をテーマとし、(株)ハイビックスの取締役社長 高井順子氏の実践報告でした。この企業では床ずれ防止エアマットやエアクッションなど空気で膨らむ医療・介護用品を開発しています。最初に床ずれ予防のエアマットの有効性について高井氏自らの介護体験をもとに説明がありました。次いで、床ずれ予防クッション「LEVABO」(レバボ)は、実物を紹介のうえ説明がありました。この製品は、利用者の体型や用途(かかと用、下肢用、上肢用など)に合わせて選ぶことができます。表地は不織布、内袋はポリエチレン製のため肌触りもよく蒸れません。実際に聴講者は製品を手に取り感触などを体感しました。レバボは褥瘡の早期治癒と再発予防に大きな効果を上げているとのことでした。後半では、安楽な姿勢をサポートするポジショニングクッションやサポート製品の紹介がありました。

この講義では、床ずれ予防製品の有効性を再認識し、床ずれを作らない環境を整えていくことの重要性を学びました。

様々なサポート製品を手に取る受講生の様子
様々なサポート製品を手にとり触ってみました
手指拘縮予防エア装具を装着する聴講生の様子
手指拘縮予防エア装具を装着する聴講生
床ずれ予防クッションレバボの説明を受けている様子
床ずれ予防クッション(レバボ)の表面は不織布なのでとても肌触りがよい
レバボ装着の様子
レバボを装着してみました。

Ⅱ部は、「最新まるわかり褥瘡(床ずれ)」セミナー」と題し、日本褥瘡学会在宅推進協会理事、希望クリニック院長 堀田由浩 先生 のオンライン講演でした。講義では、褥瘡の原因、褥瘡予防、褥瘡予防の実際について、医療の専門的視点から理論的かつ実践的に説明があり、多くの知識を得ました。褥瘡の原因は、外力(圧力とズレ力)です。その内、「ズレ力」の影響が最も大きいことを、スライドの説明を聴きながら理解しました。“ベッドを30度以上挙上するとずれ力が仙骨・尾骨・踵に発生” “背抜きをするときは臀部を守って” “ズレ力を下げるには、福祉用具や技術を使う” など具体的な褥瘡予防のポイントが説明されました。また、リスクアセスメントとして、OHスケールとマットレスの選択についての内容もありました。次いで、「褥瘡予防ケアの実際」の動画を視聴しながら、不適切な体位変換をしていないかを考える機会を持ちました。ズレを起こさないために、“手を入れる位置が重要である” “マルチグローブやスライディングシートを活用する” “移乗時決して持ち上げない” など具体的な褥瘡予防ケア方法を学びました。最後に適切なポジショニングについての講義がありました。この講演では医学的視点からエビデンスに基づく褥瘡予防対策を学びました。

Ⅲ部では、本学短期大学部社会福祉学科 横山さつき先生より、産学共同研究報告がありました。褥瘡予防にも効果が見込まれるIFMC(集積機能性ミネラル結晶体)の介護分野での活用について進捗状況が報告されました。

本日のセミナーに参加して、介護に携わる者は、介護される方に安楽で安定し安心できる快適なケアが提供できるよう日々研鑽していかねばならないことを再認識しました。

介護福祉セミナー2021ポスター
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大学のオープンキャンパスで介護支援機器の体験ツアーを実施しました

7月18日(日)に中部学院大学・中部学院大学短期大学部のオープンキャンパスがおこなわれ、社会福祉学科の学科企画で介護支援機器を高校生に紹介しました。

この日の社会福祉学科 学科企画のテーマは「介護実習室にあるいろんな福祉機器に触れてみよう!」で、学内の介護実習室を案内し、天井走行式リフトやスタンディングリフト、パワースーツなどの介護支援機器を実際に使う体験をしてもらいました。学生スタッフが説明しながらの体験で、終了時間を延長するほど好評でした。

スタンディングリフト体験の様子
スタンディングリフト体験
天井走行式リフト体験の様子
天井走行式リフト体験
パワースーツ装着体験の様子
パワースーツを装着
パワースーツを装着して重荷を持ち上げる体験をする高校生
パワースーツを装着し、重荷を持ち上げて、その効果を体験しました

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介護福祉士を目指す学生13名が自立支援機器を開発・販売している東海技研工業(中津川市)に見学に行きました

7月8日、中部学院大学短期大学部社会福祉学科の横山ゼミナール学生13名が、「お世話型の介護から“自立支援介護”へ」をテーマに開発された新発想の補助具「ラ・クリップ®」の開発過程のお話を、安江社長をはじめ開発スタッフの方々からお聞きしました。

東海技研工業安江社長と学生たち

これまで自分の力で立てなかった方が「ラ・クリップ®」によって介助無しでの日常生活動作が可能となり、意欲が引き出され、心身機能の回復・向上につながった事例や開発スタッフの方々の「介護される側の負担も介護する側の負担も減らしたい」といった熱意に触れ、学生たちは自立支援介護の大切さを深く感じた様子でした。

ラ・クリップ開発途中のトイレ用の試作品
ラ・クリップ開発途中のトイレ用の試作品を試す学生
販売されている多様なタイプの「ラ・クリップ®」や開発途中のトイレ用の試作品を見せていただき、使用法をレクチャーしていただきました
ラ・クリップ解説